かつての記事:『カビの知識 熟成肉』の中で、 肉の冷蔵庫内での1~4度の温度帯における熟成にエダケカビ(ケカビ属)が使われている事は書いた通りでありますが・・・ 実は現場に私が招かれた要因はそれを見せるためでは無かったのです。

つまり熟成させる肉はその過程でケカビの胞子の浮遊する空間につるした状態で長期間放置する訳ですが、本来正常にケカビの胞子が肉に付着し繁殖すると、肉全体が一応に白い綿毛状の物に覆われたようになるのです・・。

その白い綿毛状に覆ったケカビの間に所々青いカビが出て来る事があり、それが品質に影響を与えるのではないか?という相談であったのです。 もともとカビにはその種類によって繁殖するのに適正温度(一般的には20~30度)と言うのがあり、このケカビ属が好む1~4度という温度帯がとても低く特殊である訳ですが・・ たまたまこの低い温度に適応する一部のアオカビが出て来たという事なのです・・

私の経験上この様に単菌で培養(熟成)して製品化させる様な施設(納豆工場:ナットウ バチルス、酒蔵:アスペルギルス オリゼーなどの菌を使って)では、熟成している商品の直接の接触箇所以外はギリギリまで培養設備周辺への防カビ(塗装)を施しておく事が、他の雑菌混入を抑え品質を向上させる意味で有効なポイントになると思われるのです・・

食品工場の内壁などの塗装で、水性塗料に『インナーミル550』を添加しての防カビ塗装工事は既に全国数千か所に及びその実績を誇っております。